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■歴史


 本来、バッグ挿入に必要な場所は乳頭を中心にした半径5〜6cmの円となります。


歴史的に見ると、バッグ豊胸術はシリコンジェルバッグがはじめで、乳腺下挿入法がメインであったため、(@)乳輪切開、(A)乳房下溝切開がなされました。


これは必要な範囲だけのスペース形成で事足りましたが、特に(@)乳輪切開で行った際、乳腺を分割してスペースを作った為、術後出血が多く起こりました。前述のバッグ周囲のカプセル形成に際し「血液は大切なものだから少しでも少なく済ませよう」という組織反応が加わり、カプセルが小さくなる傾向が強かったのです。


そのため当時は、術後マッサージで小さくなってしまうだろうカプセルを壊しつつ、大きなカプセル、つまり柔らかい胸の獲得に努めた訳です。


その後、バッグから漏出したシリコンジェルが乳癌を引き起こす可能性が示唆され、破れても安全な生理食塩水バッグが主流になりました。この際、やはりシリコンバッグに比べ直接の感触に多少難があったため、大胸筋下挿入法が主流になりました。



この層にスペースを作るには大胸筋を直接触れることができることと、生理食塩水バッグは小さくして挿入してから膨らますことができるという特性から脇の下の切開が主流になりました。


そして、腋窩切開法については傷跡を隠しやすいということが謳われているのです。


昨今は、ジェル入りバッグの安全性の改善がなされ、シリコンバッグ(ユーロシリコン、ソフトコヒーシブ)やCMCバッグさらには、形状改良型としてアナトミカルバッグなどが登場し、直接バッグの柔らかさを感知できる乳腺下法が再流行しています。




体内への異物挿入の評価は10数年以上の長期フォロ−アップによってなされるものなのですから必ずしも、新製品が安全かつ優良と言い切れないということを頭の隅に入れておいてください。


また、形状として、半球状の円形バッグとその上方に三角状のボリュームを付加したアナトミカルバッグとがあります。後者は加齢とともにボリュームダウンした胸上部の改善を意図したものです。静止状態ではよい形状を得やすい利点がある一方、動作時に違和感がないとは言い切れないのも事実です。


乳腺ボリュームアップを本来の目的とする豊胸術において動作時に最も自然になじむ円形バッグは、やはり扱いやすい形状ということができます。





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